診療サービス向上のためのシステム効率化①

医師・歯科医師向け

なぜ医院の診療システムの効率化に取り組み始めたのか。

これまでや現在のだいたいの歯科・医科診療所の受付や待合室の様子は、問診票を書いている患者さんや、スマホやテレビを観たり、赤ちゃんを抱いて、いつ呼ばれるのかわからないまま忍耐強く待っている患者さん、予約時間を過ぎてイライラをため息で表す患者さん、そして私自身も同様に読書をしながら「その時」を患者として待っていることがよくあります。

そして今、自分が診療所を経営する立場になり、患者さんの時間を大切にするために考えることは、結果として医院スタッフの労働環境や診療の質の向上に良い影響を与えるのではないか、さらにそのことで患者さんにより質の高い医療を提供できる状況を作り出すという『ポジティブなスパイラル』を構築することにつながると考えました。

先ほどの歯科・医科診療所の受付や待合室とは逆に、診療室の中では以下のような状況が考えられます。予約時間にぴったり到着した患者さんが、夏は外の暑さで体温が落ち着くのを待ったり、冬は着込んだコートやマフラーを周りに当たらないように脱いだりしてから、さらに10分かけて問診票を書いている間、初診担当のドクターは診療室で流れるアニメや映画をぼんやりと観たり、仕事中のスタッフを呼び止めて雑談で時間を潰したり、患者さんが入ってくるのを気にしながら他の診療やその準備をして待っていることもあります。

診療が遅れると、次の患者さんにも影響が出るのはよくあることです。最初の患者さんが遅れると、以降の診療もドミノ倒しのように遅れてしまいます。この状況を一時的に解決しようと、遅れた患者さんを短時間で診察しようとすることがありますが、これが必ずしも良い結果を生むとは限りません。

遅れた患者さんは、診療室での待ち時間が長くなる一方、問診票を書く時間が限られてしまいます。その結果、医師は焦りを感じ、診察を急いでしまうことが多いです。このような場合、患者さんは満足のいく診察を受けられず、他の医院を探すことも考えられます。

さらに、その医師が次の患者さんに対して十分な準備ができない場合、双方にとって時間の無駄が生じる可能性があります。このような問題を解決するためには、診療システムの効率化が求められています。医師と患者の双方が満足できる診療環境を整えることは、今後の重要な課題と言えるでしょう。

私自身、矯正歯科医師として自身の矯正歯科医院で診療を行う一方、地方の歯科医院でも矯正治療を担当する機会があります。そのため、異なる診療システムを比較し、考える機会に恵まれました。

以降の投稿ではどのように診療システムを向上させたかをご紹介いたします。

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