ミッドライン不一致(midlineshift)とも言います。有名な文献では、お顔の真ん中の線に対して、歯の正中線から2ミリのズレがあるとほとんどの方にそのズレを認識され、1ミリのズレだと歯医者さんに、1ミリのズレだと矯正歯科の先生に認識されるそうです。
このズレをお顔の正中と合わせるためには、移動するためのスペースが必要で、そのためには歯を削ったり、歯を抜くことで得ることができます。上下の歯の正中は、ガタガタの左右差によっては、上のようにスペースを作らなくても矯正治療により合うようになるケースもあります。
このページでは正中線が合っていなかった方の症例を、患者さん方のご協力の下、プライバシーに配慮して掲載いたしますので、参考になったら嬉しいです。
27歳からの矯正治療:前歯のガタガタを整えた1年1か月の記録









【患者様のご相談】
- 前歯のガタガタが気になる
26歳頃から歯並びが気になり始め、 27歳1か月の時に当院へご相談にいらっしゃいました。
【診断結果】
精密検査の結果、以下の症状が確認されました。
- overjet:上の前歯が前方に突出
- 大臼歯関係II級(Class II malocclusion):奥歯の咬み合わせが通常より前後的にずれている
- 大臼歯関係III級(Class III malocclusion):奥歯の咬み合わせが一部逆の関係になっている
- ミッドライン不一致(midline shift):上下の歯の中心がずれている
- 叢生(crowding):歯がきれいに並ぶスペースが足りず、ガタガタしている状態
【使用した矯正装置】
- マルチブラケット装置(セルフライゲーションブラケット)
【抜歯部位】
- 上下左右の小臼歯(計3本)
【治療の流れ】
- 初診時:精密検査を実施し、数週間後に治療計画を説明
- 1か月目:上のワイヤー矯正装置を装着し、小臼歯を抜歯
- 3か月目:下のワイヤー矯正装置を装着し、小臼歯を抜歯
- 5か月目:上下のスペース閉鎖を開始
- 10か月目:最終調整(ディテイリング)開始
- 13か月目:矯正装置の撤去と保定装置の装着
【治療期間】
1年1か月
【矯正料金の目安】
- 精密検査料金:55,000円
- 基本矯正料金:880,000円
- 処置料金:6,600円 × 20回分 合計:1,067,000円
【リスクと副作用】
- 歯を並べた際、歯の形状によって**ブラックトライアングル(歯と歯肉の間の隙間)**が生じ、歯肉が退縮したように見えることがあります。
- 保定装置の使用を怠ると後戻りの可能性があります。保定期間が終了した後も、歯並びは変化することがあります。
- 矯正治療によって、歯根が吸収し短くなる可能性があります。
矯正治療を通じて、患者様は理想の歯並びを手に入れ、より自信を持って笑えるようになりました。
気になる歯並びがある方は、ぜひ一度ご相談ください!