部分矯正治療で解消できるケースについて

歯科矯正治療の症例

矯正治療には、全体的な歯並びを整える本格的な矯正と、特定の部位のみを対象とした部分矯正治療があります。患者様の症状や主訴によっては、部分矯正でお悩みを解消できるケースもあります。

【部分矯正治療が適応できるケース】

部分矯正が可能な条件として、以下のポイントが挙げられます。

  • 奥歯の噛み合わせが安定している(1歯対2歯咬合で上下の歯が緊密に咬んでいる)
  • 治療の対象が上の前歯の軽度なガタガタのみ
  • 全体的な噛み合わせに大きな問題がない

このようなケースでは、部分矯正を行うことで前歯の歯並びを整え、審美的な改善を図ることができます。

【部分矯正が適応できないケース】

一方で、以下のような症例では部分矯正では対応が難しく、フル矯正が必要になることが多いです。

  • ガタガタの程度が中程度以上(スペース不足が大きい場合)
  • オーバージェット(overjet)が大きい(上下の前歯の前後的なギャップが広い)
  • 奥歯の噛み合わせに問題がある

特に、オーバージェットが大きい症例では、部分矯正を行うことで逆に出っ歯の見た目がより悪化する可能性があります。そのため、患者様の状態に合わせた適切な治療方法の選択が重要です。

【まとめ】

部分矯正治療は、条件が合えば短期間かつ比較的負担の少ない治療法として有効です。ただし、すべての症例に適応できるわけではなく、噛み合わせの状態や歯の並びの程度によって適応可否が変わります。治療を検討される際は、まず専門医にご相談いただくことをおすすめします。

気になる方は、ぜひ一度ご相談ください!

22歳からの矯正治療:気になっていた前歯を改善した11か月の記録

【患者様のご相談】

  • 2番目の前歯が入っているのが気になる

9歳頃から歯並びを気にされていましたが、治療の機会がなく、22歳1か月の時に当院へご相談にいらっしゃいました。

【診断結果】

精密検査の結果、以下の症状が確認されました。

  • 交叉咬合(crossbite):上下の歯の噛み合わせが一部反対になっている
  • 叢生(crowding):歯がきれいに並ぶスペースが足りず、ガタガタしている状態
  • ミッドライン不一致(midline shift):上下の歯の中心がずれている

【使用した矯正装置】

  • 上顎のみマルチブラケット装置(セルフライゲーションブラケット)

【抜歯部位】

なし

【治療の流れ】

  1. 初診時:精密検査を実施し、数週間後に治療計画を説明
  2. 1か月目:上のワイヤー矯正装置を装着
  3. 9か月目:最終調整(ディテイリング)開始
  4. 11か月目:矯正装置の撤去と保定装置の装着

【治療期間】

11か月

【矯正料金の目安】

  1. 精密検査料金:55,000円
  2. 基本矯正料金:412,500円
  3. 処置料金:6,600円 × 11回分 合計:540,100円

【リスクと副作用】

  • **歯を並べた際、歯の形状によってブラックトライアングル(歯と歯肉の間の隙間)**が生じ、歯肉が退縮したように見えることがあります。
  • 保定装置の使用を怠ると後戻りの可能性があります。保定期間が終了した後も、歯並びは変化することがあります。

矯正治療を通じて、患者様は気になっていた前歯の位置を整え、自信を持って笑えるようになりました。

気になる歯並びがある方は、ぜひ一度ご相談ください!

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