診療サービス向上のためのシステム効率化②

医師・歯科医師向け

診療サービス向上のためのシステム効率化WindowsからMacへ刷新

私は10年以上大学病院で勤務していました。多くの医局では、入局前からWindowsのノートPCを持参するように指示され、自然にWindows PCを使用していました。MicrosoftのPowerPointやWord、Excelを使い、勉強会や症例発表、学会用のポスターや論文作成を行っていました。

診療所開設時に導入したPCは、当然のことながらWindowsでした。長年使用しているスマホはiPhoneですが、PCはDELLで統一しました。購入したのは、第11世代のインテルCore i7、16MBキャッシュ、512GB HDD、4TB HDDを搭載した2台で、各174,680円(税込)、合計で349,360円(税込)でした。また、受付では個人で使っていたWindowsのノートPCを使用していました。

開業後も院長室のWindows PCを使って、検査で撮影した顔面写真や口腔内写真、レントゲン写真をPhotoshopで編集・分析し、PowerPointのデータを完成させていました。(Photoshopはフォトプラン(20GB)の年間プランで毎月1,180円、PowerPointはMicrosoft365 Personalで年間プラン14,900円のサブスクを利用しています。)そのデータはUSBフラッシュに移し替え、診療室のPCにUSBフラッシュ経由で転送していました。診断時には、そのPowerPointのスライドショーを使って患者さんに説明し、最終的にプリンターで印刷してクリアファイルに入れてお渡ししていました。この作業には特にストレスを感じていませんでしたが、院長室PCと診療室PCを有線で繋げられれば、USBフラッシュを使う手間が省けて便利だろうなあと考えていました。

Instagramを作成する際は、PCとスマホの両方でCanvaという画像編集アプリを使用しています。院長室PCで作成した投稿用データはスマホでもダウンロードできるため、スマホから直接Instagramに投稿できてとても便利です。そこで、PCと他のPCやスマホを安全に繋げる方法を探していると、Appleではすでに実用的なクラウド機能が実現されていることに気づきました。さらに、参考にしている企業でもWindowsからMacに切り替え、作業の効率化が飛躍的に進んでいるとのこと。そのための設備投資費用に不安がありましたが、思い切ってAppleへの刷新を決断しました。

2024年初めの時点で、受付と診療室、院長室で使用しているPCは、受付と診療室に2台のMac mini(M2、8コアCPU、8GBメモリ、256GB SSD)を各84,800円(税込)、院長室には1台のMac mini(M2、8コア、8GBメモリ、512GB SSD)を114,800円(税込)で導入しました。合計で284,400円となり、開業当時に購入したDELLのPC2台(349,360円(税込))よりも大幅に安く済みました。この差額でiPad Pro(11インチ、256GB)を購入できるほどの設備費用の低さに驚きました。

実際にAppleを使ってみてから驚いたことはいくつもありました。WindowsのPCでは習慣的に毎朝PCを起動して、毎晩PCをシャットダウンしていましたが、Apple製品はどれもその手順が不要であることに驚きました。PCとして使うmac miniはほぼ毎日起動したまま、モニターだけをOn Offするだけなんです。まさにiPhoneやiPadと同じように毎日起動・シャットダウンする必要がなくなりました。他に便利な機能は『AirDrop』です。これはiPhoneでも写真のやり取りに使えていたので知っていましたが、PCのmac同士でもそれが可能であることは驚きでした。これにより、受付Macに写真データを簡単に転送することができるため、同様に『iCloud』も便利で、院長室Macで作成したPowerPointのデータに診療室Macからクラウド経由で閲覧・編集ができるので、前述のUSBフラッシュ経由の作業が必要なくなったことで空が青く広く感じる程でした。また、そのPowerPointのデータをPDFとして保存し、患者さんがiPhoneを持っている場合は、そのデータをAirDropで転送できるため、診断資料の印刷が不要になりました。これは、本棚や引き出しの奥に保管して、見たい時にはボロボロになっている資料をもらっても患者さんにとっても迷惑ということが判明したのも、このAppleへの移行が完了した頃に患者さんから教えてもらいました。今まで、資料を印刷するために急なインク切れやネット回線のトラブルも多い印刷まわりのストレスからも解放されたのです。

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